呼吸は、生命を維持するために重要な役割を担っています。呼吸機能は、生命予後と高い関連性があるため、メティスでは呼吸リハビリに力を入れています。今回は、メティスの呼吸リハビリの中でも、LICトレーニングをご紹介したいと思います。
【LICトレーニングとは何か?】
LICトレーニングとは、肺や胸郭の柔軟性を維持、改善し、呼吸状態を改善する目的の呼吸理学療法です。呼吸理学療法の目的は、呼吸筋の維持、強化や胸郭の柔軟性や肺の弾力性の維持、排痰による肺炎や無気肺などの予防にあります。 LICトレーナーは、国立精神・神経医療研究所センターとカーターテクノロジーズ株式会社が共同開発した、ALSをはじめとする神経筋疾患の方向けの呼吸リハビリ機器です。
【どのような効果があるのか?】
ALSは、脊髄前角の大型神経細胞の脱落や、前根の有髄神経線維の消失や萎縮、錐体路の変性などがみられる運動ニューロン疾患の1つです。症状は進行に伴い、運動障害や呼吸障害、嚥下障害やコミュニケーション障害が生じます。特に、呼吸障害は肺実質の問題ではなく、呼吸筋の低下や麻痺によって生じます。病状が進行すれば呼吸障害によって胸郭の動きが縮小して硬くなり、肺活量が低下すると強い咳嗽ができずに気道分泌物を出せなくなり、呼吸不全や呼吸器感染症を発症します。同時に、声帯や咽頭の問題、嚥下の問題も発生し、これらも呼吸障害に大きくかかわってきます。これらの病状の進行を抑制するために、LICトレーニングは、MICトレーニングやMI-E、人工呼吸器換気よりも肺を十分に膨らませてトレーニングを行います。LICに一方向弁がついているため、球麻痺の方でも肺を膨らませることが可能です。
【メティスのLICトレーニングの特徴】
メティスのLICトレーニングの特徴は、肺や心臓の状態と人工呼吸器の設定とLICトレーニングの効果をしっかりアセスメント評価し、LICトレーニングを実施できることです。LICトレーニングは、圧力によっては心臓に負担がかかるため、血圧や脈拍、SPO2をモニタリングしながら行う必要があります。また、トレーニング効果によっては、人工呼吸器の設定を肺の状態に合わせて変更する必要があるため、呼吸器管理や評価がしっかりできる看護師のモニタリングと呼吸理学療法士による施術が必要です。また、陽圧になることで、排痰が促進されるため、カフアシストやMI-Eなどのタイミングを見計らいドレナージを行います。どれも、メティスであれば可能です。
LICトレーニングは一見、簡単な手技と思われがちですが、心臓の状態や肺の状態を評価し、呼吸器管理と並行して安全に効果的に行うために、専門家のアセスメント評価やサポートを受けて頂きたいと思います。
※肺実質に既往のある方は、肺損傷を起こすリスクがあるため、医師の指示の元、気道内圧力管理下で実施する必要があります。
【メティスの実績】
メティスでは現在まで、3症例の実績があります。効果としては、①排痰が促進される、②呼吸のしやすさを自覚する、③胸郭の動きが出る、④一回換気量が増加する、などがあります。今後もデータをしっかり取り、リハビリに活かし更なるサービスの質の向上に努めます。
お困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。